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金大生コラム

[投稿] 花瓶-【下宿学生と管理人】

Written by 自我男さん


学生の頃お世話になった方から花瓶が届いた。
奥深いえんじ色の美しい花瓶が届いた。

うれしくて部屋の中をグルグルと見まわすが、この部屋の殺伐・殺風景には、こんな花瓶がとてもにあわないと気づく…

急に、あのころが懐かしくなった…

                 ●

『すいません、また留年決定しちゃいました。もう一年ここに下宿します。』

「なんだ、また教授とけんかしたの?しょうがないですねぇ」

  『……奴は、人間のクズです。』

「授業出席しなかったら、レポート受け取ってくれないでしょう。先生だって人間なんだから、感情ってモノがおありでしょうから…自我男さん、もう子供じゃないんだから、そのへんもっとうまくやらくちゃ…」

  『……奴は、悪いやつです。』

「…まあまあまあ、でもまだ昼間なんだし、そんなに酔ってちゃダメですよ。今日ぐらい反省しなさい。ハイ、今年もよろしく。はぁ…、でもアンタみたいに純粋すぎる人は、社会にでても苦労するでしょうねぇ…」

  『今ほどの苦労はしない、と思いま…す、ヒック…』

                 ●

結果的に、学生はとてつもなく甘かった…。


しかし、今の私にもあの頃のあなたのような理解者がいてくれます。いつかまた懐かしがれるのであります。

しょせん自分はお幸せな『おぼっちゃん』であるようです。

最終更新: 2003/07/20
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